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対談「CANDLE JUNE」さん 熊本地震から七年 今、高校生が できることって?

中央高等学院のボランティア活動をサポートしている、アーティストであり一般社団法人ラブフォーニッポンの代表でもあるキャンドル・ジュンさん。4月に熊本で
震災復興イベントのキャンドルナイトを開催する縁もあり、九州の高校生ができる復興支援について当社代表の株式会社吉村 吉村と対談。

忘れないだけでなく
学ぶことが大切
吉村学院長(以下吉) ジュンさんは東日本大震災以降、ずっとさまざまな災害復旧のサポートを行なっていらっしゃるんですよね。
キャンドル・ジュン(以下ジ) 
支援活動自体は二〇〇四年の新潟中越地震からしているんです。仮設住宅を訪れたり、現地の方たちとイベントを開催したり。
吉 もう二十年近く活動を!?
ジ 被災地でいろんなボランティアを行うNPO法人、ラブフォーニッポンを立ち上げたのは二〇一一年の東日本大震災がきっかけですが、もうそんなに経つんですね(笑)。
吉 関東圏にある中央高等学院の生徒たちのボランティアも指導していただいて。
ジ 高校生と一緒に被災地で活動するって、我々も勉強になりますし、何よりお年寄りに喜ばれるんですよ。若さはそれだけで周りをパッと明るくしてくれますら。
吉 九州の生徒たちにも体験させてやれればとは思っているのですが。
ジ そうですね、熊本は二〇一六年の傷跡が残っていますし、私も協力しますよ。
吉 熊本地震から七年経ちましたが、復興はどういった状況なんですか?。
ジ そこまで熊本に通っているわけではないのであまり詳しくはありませんが、ここ数年で仮設住宅から復興住宅への移行が進んだ印象。ただ、被災者さんたちの格差が強く残っているような……。地震前とほぼ変わらぬ暮らしに戻れている方もいれば、地元に帰れてすらいない人々だってたくさんいらっしゃるんです。
吉 私は東京生まれのうえ、九州での拠点が熊本市内。震災についてあまり耳にしませんし、仮設住宅を目にする機会も少なく。でも、実際にはまだ復興過程なんですよね。
ジ 支援活動をしていると、”忘れないようにしよう”というワードがすごく出てくるんですが、何を忘れないの? という話。大きな地震がきた! って出来事だけでなく、その時に人々が何をしたのか、そのアクションの何が良くて悪かったのか、まで記憶すべきなんですよ。忘れない以上に学ぶ姿勢が必要だと思って
います。
吉 確かに、当時の細かい話を聞くことないですし、ただ地震があった記憶だけ残ってしまっています。
ジ 出来事に対して大人たちがどういう判断をし、どういった行動に出たのかを伝承しないと、次の時代に同じ悲しみが生まれてしまいます。それでは意味がないんです。
吉 人々の行動を含めて教訓になるわけですね。
ジ 良い悪い含めて当時起きたこと、行動したことを次世代に繋げていかないと、進歩できないでしょう。何より亡くなった方たちに顔向けできません。
吉 初動から支援物資の供給分配方法まで、いろいろ問題があったとは聞いています。
ジ 東北大震災以降、規模こそ違いますが熊本をはじめ全国で災害が起きました。各地を回って感じたのが、経験が共有されていない、過去が生かされていない! ということ。
吉 私は消防団にも所属しているため、災害ボランティアに伺う機会があるんです。繰り返し被災されている方々は、進歩のない復興作業に呆れ顔な場合も。
ジ そう、行政が経験を生かしていないと憤りつつも、自発的な助け合いで乗り越えてらっしゃるんですよ。被災した人同士がお互い様だからって、公では間に合わない部分を補いあう。人としての強さレベルが高くなっちゃっているんですよね。
吉 手伝いに行ったはずが、逆に現地の人に励まされるパターンは私もたびたび経験しました。
ジ 強い人たちから学ばせてもらえるのは、私が被災地を回る原動力の一つになっています。とはいえ、本当に疲れているんですよ。さまざまなこと、もの、思いを背負って被災したみなさんは日々生きている。それを表には出さないかも知れないけれど、ムリは確実にしているんです。誰かが褒めて、感謝しないと。物資
やマンパワーも大切ですが、お疲れ様&ありがとうを伝えるのも支援。だから、あなたのその経験、知恵をほかの地域、世代に教えてやってくれませんか? という活動を私は積極的に行なっているんです。
吉 九州の高校生たちも何かやれることありますか?
ジ 熊本に関しては今から直接どうこうというのは難しいかも知れません。しかし、七年前に何が起きて、人々がどうしたのかは学べます。まずは知ることから始めたらどうでしょう? 毎年の復興イベントに参加するのもオススメですよ。

※Profile
1974年1月20日生まれ。長野県出身。1994年にキャンドル制作をスタートさせ、“灯す場所”にこだわった、さまざまなフィールドで唯一無二の空間をプロデュース。キャンドルデコレーションというジャンルを確立させ、アーティスト兼フィールドデザイン、ディレクターとして活躍する。
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